校内に残る生徒もまばらになった時間の、鍵のかかった準備室。

夕陽の差し込むその部屋で、重なった大きな影がひとつ。
時折、くっついたり離れたりしながら揺れている。

「ほら、…顔あげな」

女子生徒を膝に乗せ、その顎を掬うように指をあてがう様は、教師とは言いがたい。
…がしかし、残念ながらというか、当然というか…俺は、これでも科学教師、だ。

顔を上げさせても、頬を真っ赤に染めつつ視線を落としている彼女の姿は、愛しくてたまらない。

「そんな風に視線だけ反らしても…ん、俺を煽るだけだぞ〜?」

堪えきれず、視線を落とす瞼へキスをすれば、くすぐったそうに首をすくめて目を閉じた。

「ほい、油断大敵」

すくめた瞬間、髪が揺れ、隠れていた可愛らしい耳朶へと唇を寄せる。
頭の中では冷静に「いやいや、これ以上ここではマズいだろう」…なんて、考えちゃいるが、唇に触れた耳朶の柔らかさにそんなもの、吹っ飛んでしまいそうになり、ギリギリのところで唇を離した。

「…柔らかいな」

吐息と共に、甘く囁いてやれば、小さな身体は大きく震える。
初々しい反応と、染まっていく彼女の色に、軽く眩暈がしそうだ。

、こっち向いて」

ふるふると小さく首を振る彼女の耳に、音を立ててキスをしてから、もう一度…今度はさっきより艶の増した声で呼びかける。

「…?」

その声に弾かれたよう、俯いていた顔がゆっくり向きを変えこちらを向いた。

「せ、せんせぇ」

「…おま…それ、反則」

俯いて隠されていた表情は、自分が考えていたよりも艶かしく…夕陽に浮かぶその色に、ギリギリのところで抑えていた何かがぷつりと切れた。



下校時刻のチャイムがなるまで、あと少し

窓の向こうの太陽が沈むまで…
俺の腕の中で、俺のために…乱れ咲け





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麻生先生は、公式でしっかり色々やってるので(え?)容赦なくいけます。
…せんせぇ、って呼び方は…イイよね(どっちの立場だお前(笑))
2010/11/07